1Q84 BOOK1<4月〜6月> by村上春樹 感想

 

説明文は、可能な限り万人が、同じ解釈ができるように文章が書かれている.

ところが、物語の文章やストーリーの解釈は、同じ人であっても、精神年齢や置かれている環境によって、その捉え方が異なるというのが面白い.

何かコメントがあれば、ぜひしてほしい.

 

 

「見かけに騙されないように、現実というのは一つきり」この言葉が第一節のタイトルであった.

この言葉の意味は、話の流れから、

普通なことをしている日常を過ごす自分が目撃している現実と、普通ではないことをした非日常を過ごした自分が目撃する現実が異なる時でも、2つの現実があるわけではなく、同じ一つの現実を、違う側面から観察しているため、見かけが異なってるだけである.

この言葉を読んだ時に私はこんなことを考えた.

現実は確かにひとつきりであり、自分の目で見ているはずである.ただし、我々が人間である限り、私たちが一度に観察できる現実は、現実の一つの側面にしか過ぎず、現実の真の姿を見ることはできない.ゆえに私たちは真の姿を知らないのに、現実はこういうものだと決めつけて生きていることが大半である.

だから、もし現実とのギャップを感じ、生きにくく感じることがあれば、現実の一側面とギャップを感じているだけで、現実の別側面を知れば、多少生きやすくなることがある.そしてその別側面を知るには、今までの自分にとって、普通でないこと.普通やらないことをすることで異なった現実の側面が見える.